「S」の称号を受けたiPhone 3GS はかなり「使いやすく」なった。
「使いやすい」という言葉は多面性を持っている。100人中99人が「使いにくい」と思っていても、1人が「使いやすい」と思っていれば、それはその人にとって「使いやすい?もの?」だ。だが、それが「一般的に使いやすいものかどうか」と言う、一般論となれば、「使いにくいもの」と位置付けされる。「便利かどうか」というファクターも「使いやすいかどうか」という判断基準に含まれる場合もあるだろう。
これまで、「iPhoneって使いやすいですか?」と聞かれると、正直微妙な反応しかできなかった。私にとって便利でも、その人にとって便利かどうかは分からないからだ。その都度、その人の「利用のしかた」を想像しながら答えてきた。
「パソコンを常に使っていて、電話帳やスケジュール、ブックマークなどを持ち歩きたいのなら、これほど便利なものはありません。但し、携帯の延長線上にある高機能なものと考えると、きっと使いにくいと思いますよ」と。
では、「便利か」と問われれば、即座に「便利です」と胸を張って言えた。私にとってこれほど便利なものはない。そこには、「使いやすいかどうか」というファクターは含まない。正直、使いにくいと思っていても、便利なものは便利だ。人によって便利さを優先するか、使いやすさを優先するかは変わってくる。
では、胸を張って「便利」とは言えるのに、「使いやすい」と言えなかった理由の1つ、それは処理速度(反応)を含むスピードだ。
iPhone 3GSは満を持して「S」の冠を授かった。
【後編へ続く】
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